「名義貸しすれば副業が会社にバレない」
副業禁止の会社で副業をしたい場合に、事業の名義を妻や親兄弟など家族にする、いわゆる「名義貸し」にすることで、会社に副業がバレないようにしようと考える人もいると思います。
しかし「名義貸し」は下手をすると違法性のリスクが大きく、重い罰則や罰金が課せられる怖い側面も。
そんなことになったら会社にバレるバレないどころの騒ぎではなくなってしまい、名義貸しした家族ともトラブルになってしまうかもしれません。
そこで「名義貸し」が違法性を左右する「実質所得者課税の原則」、違法にならないための3つの対策、3つのリスク、罰則や罰金などについて紹介します。
家族に副業の名義貸しをすれば会社にバレない?
まずそもそも、副業の名義貸しをすれば会社にバレないのでしょうか?
名義貸しは、副業が会社にバレない方法の1つではあります。
妻や親など家族名義で副業をすると、家族が確定申告を行うため、自分は副業収入はないことになるので税金を通じて会社に副業がバレることはありません。
この場合の副業とは、企業に雇用されるアルバイト副業ではなく、個人事業主や法人設立として行う副業に限ります。
ただし、名義貸しの方法に違法性があると脱税になる可能性が。
家族に副業の名義貸しで違法性を左右する「実質所得者課税の原則」とは?
家族名義で副業を行うことに違法性があるかないか左右するのは「実質所得者課税の原則」が重要なポイントになります。
「実質所得者課税の原則」とは税金の世界の大前提で、所得税法第十二条でこう定められています。
資産又は事業から生ずる収益の法律上帰属するとみられる者が単なる名義人であつて、その収益を享受せず、その者以外の者がその収益を享受する場合には、その収益は、これを享受する者に帰属するものとして、この法律の規定を適用する。
これはつまり、名義人よりも実際に収入を得ている「実質所得者」に対して課税するというのが税法の大原則。
例えば、会社員の夫が副業を会社にバレたくなくて、妻名義のアカウントや銀行口座を利用して夫がネットビジネスをした場合、「実質所得者」は実際に副業の業務を行っている夫ということになります。
にもかかわらず確定申告するのは名義人である妻のほうなので、「実質所得者」としての納税義務を果たしていない夫は所得隠しの脱税の罪に問われてしまうんです。
家族に副業の名義貸しで違法にならないための3つの対策
「実質所得者課税の原則」を理解したうえで、名義貸しで違法にならないための対策が3つあります。
①単なる名義貸しにならないように、家族に実質的権限者になってもらう
②確定申告も納税も国民健康保険料などの支払いも家族が行う
③税務調査への対応も家族が行う
1つずつ詳しく説明していきますね。
①家族に実質的権限者になってもらう
単なる名義貸しだと「実質所得者課税の原則」によって脱税になってしまうので、「何もしなくていい名義貸し」ではなく、家族に「実質的権限者」になってもらいます。
「実質的権限者」とは事業の決定権者という意味で、会社の社長のような立ち位置だと考えるとわかりやすいです。
例えば、ブログのアフィリエイト副業をする場合、妻名義でASPアカウントと銀行口座を利用して、妻は何もせずに夫1人で全ての業務をこなすと、「実質所得者課税の原則」によって夫は脱税になってしまいますね。
そこで妻には名義貸しだけでなく「実質的権限者」になってもらいます。
妻は記事を書いたり作業はしなくていいですが、全体像を把握し、どんな記事や商品にするかなど経営方針を決めるのが「実質的権限者」です。
事業の主体は「実質的権限者」である妻であり、夫はその手伝いをしているという体制を作って、税務調査が入ったときには合理的に証明できるようにしておきます。
しかしこの対策を実践するには妻の本気の協力が必要ですね。
②確定申告も納税も国民健康保険料などの支払いも家族が行う
名義人になった家族は必然的に税金の義務も負うので、確定申告と納税を行う必要があります。
③税務調査への対応も家族が行う
税務調査が入った際は「実質的権限者」になった家族が代表として対応しなければいけません。
税務調査では「実質所得者」が誰なのか判定するために、経営の意思決定、資産や収支の管理、会計処理、事業上の各種手続き、確定申告などを誰がやっているのか調査されます。
また、税務署は銀行口座の残高から入出金の履歴や名目まで全てお見通しなので、「実質的権限者」はそういったお金の流れを説明できないと「単なる名義貸し」ではないかと疑わることに。
例えば「妻への単なる名義貸し」だと判断されると、「実質所得者」である夫に対して課税されることになります。
事業の内容をわかってない人が事業主であるはずないから当然の判断ですね。
何もわかっていない妻の名義で副業するとそういうことになってしまうので、名義貸しするときは一緒に経営するつもりでやりましょう。
法人化した場合は?
副業ビジネスが上手くいって法人化する場合もあると思います。
その場合も個人業業主と同じで、名義人の家族が会社の代表取締役となって「実質的権限者」の役割もきちんとこなし、副業をしている本人はいっさい報酬をもらわない形にして「単なる名義貸し」とならないようにしましょう。
実際、妻など家族が経営に参加するケースはありますが、代表取締役の役員報酬が高すぎると目立つのでそこは注意が必要ですね。
また、株式会社で設立すれば取締役と株主は別の人物でいいので、副業をしている本人は株を持っておけば、離婚など万一の時でも会社の支配権や資産の権利を保持することが可能です。
家族に副業の名義貸し3つのリスク
家族に副業の名義貸しには3つのリスクがあります。
①名義人は法的責任を負うリスク
②単なる名義貸しは脱税のリスク
③税金を余分に払うリスク
1つずつ詳しく説明していきますね。
①名義人は法的責任を負うリスク
副業を家族で名義貸しすると、家族の名前で確定申告することになります。
確定申告の提出は代理人でも可能ですが、作成自体は本人または税理士しかできないことになっているので、名義人は事業内容をきちんと把握しておかなければいけません。
何か問題が発生した場合、名義人は法的責任を負うリスクもあるので、「単なる名義貸し」という軽い気持ちでいるのは危険。
名義人は事業の主体である「実質的権限者」で、副業をしている本人はその手伝いをしているという体制を作って、税務調査が入ったときには合理的に証明できるようにしておく必要があるという、重い責任を負います。
②単なる名義貸しは脱税のリスク
副業を家族名義にして、その家族は事業にノータッチという「単なる名義貸し」にしてしまうと、実際に副業をして事業所得を得ている本人は、本来の所得を少なく見せていることになり、脱税行為になります。
会社に副業がバレないようにと安易に名義貸しすると、脱税に繋がるリスクがあるので危険。
売上が少なければ税務調査は来ないと安心するのも危険で、事業の大小にかかわらず売上が数百万円でも来るので、いつ脱税とみなされてもおかしくないリスクがあります。
③税金を余分に払うリスク
例えば売上100万円で専業主婦の妻に名義貸しした場合、副業している本人は本業との合算で申告納税が必要なため、妻が確定申告した場合とでは税金の額が変わってくるんです。
妻が「実質的権限者」であるということを証明できず、「単なる名義貸し」だと税務署に判断されると修正申告を求められ、しかも脱税の罰として、本来よりも余分に税金を払わされるリスクがあります。
それこそ損ですから、名義貸しはリスクだらけで危険ですね。
家族に副業の名義貸しで違法性がある時の罰則や罰金
ここでは、副業の名義貸しに違法性がある時の罰則について紹介します。
「単なる名義貸し」として税務署に判断されると、会社にバレない対策だったつもりが、税金逃れのためにやっていた、つまり脱税ということになってしまい、厳しい罰則や罰金を命じられる羽目に。
脱税は刑事罰
節税は法律に乗っ取って適切な方法で納税を安くすること。
一方、脱税は本来の納税とはかけ離れた、ズルして税金を安くする違法行為。
税金を減らすために払ってない架空の経費計上をしたり、売上を隠したり、「単なる名義貸し」も「実質所得者」の税金を減らすことになるので脱税で法律違反となります。
脱税は刑事罰の対象となり、有罪判決を受けると10年以下の懲役、1,000万円以下の罰金が一般的です。
加算税という罰金
加算税とは、本来の納税義務を果たさなかったときに課せられる罰金で4種類あり、脱税の場合は重加算税というもっとも重い加算税が課税されることになります。
①過少申告加算税
過少申告加算税とは、確定申告した税額が本来よりも少なかった場合に課税される税金です。
金額は、修正申告した税額に対して10%が基本ですが、不足額が50万円を超えていた場合は15%に増額されます。
ただし正当な理由がある場合や、修正申告を求められる前に自ら修正した場合は罰金不適用に。
②無申告加算税
無申告加算税とは、毎年2月16日から3月15日までに設けられてる期間内に確定申告をしなかった場合の罰金。
金額は、納税額50万円までがその15%、50万円を超えると20%に増額されます。
ただし正当な理由がある場合や、期限後2週間以内なら不適用となり、修正申告を求められる前に自ら修正した場合は5%に減額されます。
③不納付加算税
不納付加算税とは、源泉徴収税を納めなかった場合の罰金です。
金額は、納税額の10%。
ただし正当な理由がある場合や、期限後1か月以内なら不適用となり、修正申告を求められる前に自ら修正した場合は5%に減額されます。
④重加算税
重加算税とは、仮装や隠ぺいなど脱税に適用される、最も重い罰金です。
金額は、納税額に対してなんと35%、期限後に申告した場合は40%に増額されます。
「単なる名義貸しの脱税」と判断されたらこんなに重い罰金を払うことになってしまうのです。
延滞税という罰金
延滞税とは、決められた期限までに税金を払わなかった場合に適用される罰金です。
期限の翌日から日数に応じて加算されるので、延滞に対する利息のような税金。
2か月以内なら納税額の7.3%、2か月を超えると14.6%が課税されます。
名義貸しは刑事罰と重加算税のリスク
名義貸しは「単なる名義貸しの脱税」と判断されてしまうと、刑事罰と重加算税という非常に重いペナルティを課せられてしまうので、やはり名義貸しはリスクが高いといえますね。
名義貸し以外にも副業がバレない方法はある
名義貸し以外にも副業がバレない方法はあるので安心してください。
名義貸しは家族名義にするだけの「単なる名義貸し」にすると、脱税になって重い罰則と罰金が課されるリスクがあるため、そうならない対策として名義人の家族には「実質的権限者」として経営にかかわり把握してもらう必要がある。
しかし実際のところ、副業の業務をやっていない家族が「実質的権限者」として事業を把握することは難しそうですし、どれだけ本気で協力してくれるかわかりません。
しかも、いつ税務調査が来るか全くわからないので、「実質的権限者」は常に事業を把握しておく必要があります。
そんなリスクだらけの名義貸しよりも少ないリスクで副業がバレない方法が、住民税の支払い方法を「自分で払う普通徴収」にすることです。
「普通徴収」のやり方は簡単で、毎年2月16日~3月15日までに確定申告をする際、住民税の徴収方法の欄で「自分に納付」に〇(マル)を書くと「普通徴収」を選択したことになります。
そうすれば5月頃に本業の会社に届く通知は給料分だけの住民税になり、副業分の住民税は自宅に通知が届いて自分で払うのでバレない。
だがしかし、確定申告の書類で普通徴収を選択しただけでは税務署が見逃す人的ミスが発生する恐れがあるので、4~5月に役所の住民税担当に電話して「副業が絶対バレたくないので普通徴収でお願いします!」と念押するのも大事なポイント。
そこまでしても役所の人的ミスは起きるので絶対にバレない方法ではないですが、名義貸しに比べたらだいぶ気持ちが楽だと思います。
それに、住民税を普通徴収にすれば通常は会社バレを防げるのに、わざわざ名義貸しをしている時点で、悪質な脱税目的だと判断されかねません。
※名義貸し以外の副業がバレない方法については、こちらにもっと詳しく解説してるのでよかったら読んでみてくださいね。
まとめ
「名義貸し」が違法性を左右する「実質所得者課税の原則」、違法にならないための3つの対策、3つのリスク、罰則や罰金などについて紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
名義貸しは副業が会社にバレない方法の1つではありますが、下手をすると違法性ありになるリスクがあります。
それは、名義人よりも実際に収入を得ている「実質所得者」に対して課税するという税金の大前提「実質所得者課税の原則」があるため。
名義貸しで違法にならないためには、単なる名義貸しではなく家族に「実質的権限者」になってもらう、家族が確定申告など行う、税務調査への対応も家族が行うという対策が必要です。
名義貸しが抱える3つのリスクは名義人は法的責任を負う、単なる名義貸しは脱税、税金を余分に払うという、怖いリスクだらけ。
「単なる名義貸し」として税務署に判断されると、脱税として厳しい罰則や罰金が待っています。
脱税は刑事罰の対象となり、有罪判決を受けると10年以下の懲役、1,000万円以下の罰金。
さらに納税額に対してなんと35%~40%という重加算税が課税されることに。
このように名義貸しはリスクだらけですが、ほかにも副業がバレない方法はあります。
住民税の支払い方法を「自分で払う普通徴収」にすれば、名義貸しのような重いリスクはありません。
もちろん家族がきちんと事業に参加して「実質的権限者」になってくれるなら、家族名義で副業するのもありと思います。
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